空ゴト日和

本とゲームに埋もれた日々

8/19

青柳碧人『家庭教師は知っている』を読みました。

家庭教師を運営する会社で、派遣先で虐待が行われていそうな所に家庭訪問を行い問題を解決するという話。

「むかしむかしあるところに死体がありました。」が気になっていて文庫化したら読みたいなぁと思っていたところ、たまたま平台に同作者の本を見つけたので気になって買ってみたのですが、ちょっと、個人的には微妙でした。面白くないことはないし、普通に楽しく読めたけど、まあ自分には合わないタイプの作者かなと。空っぽの鳥籠が飾られている部屋、逆さの面の絵が壁一面に描かれている、祖母が多い家など、謎としては魅力的な命題があり、その回答も面白く謎解きトリックものとしては面白くはあったけど、それと並行して描かれるドラマ部分が、個人的にはどうも中途半端な感じで入り込むまではいきませんでした。連作短編らしく、それらを通じた謎かけみたいな部分もあったのだけど、そこも、特に驚くべきほどのことでもなく、個人的な好みの話でいうと、探偵がかっこよく問題ごとを解決する話か、逆に生徒側を主体として心理面を前面に出していくとかとか、どちらかに寄ったほうが良かったかなと。家庭教師の家庭訪問だと、完全に他人事になってしまい。そういう話なのだと言われれば、はい、としか言いようがないのだけど、私の琴線には触れませんでした。この一冊だけだと、どうもこの作者様とは合わないのでは、と思うのだけど、流石に一冊で判断するのもアレなので、もう一冊くらいは読んでみようとは思っています。