空ゴト日和

本とゲームに埋もれた日々

11/20 「薬の魔物」回顧録メモ(372-379)

「薬の魔物の解雇理由」読み返しにて、全ネタバレ注意。

前回の事件の顛末と、火の慰霊祭一年目。火の慰霊祭といえば、ノアが火を怖がり、ディノとネアとで仲良くベッドで寝たという記憶が強く、他に何かあったかなぁと考えていたら、イヴリースが突撃してきて、ネアとは初対面でしたね。後、ゼベルのエアリアル大活躍の回であり、ここら辺からゼベルさんとの関係もまあまあ増えていく。

(372/980)

ウィリアム視点。アルテアと事件の顛末を語る。

アルテアがネアの使い魔になったことが許せないウィリアム。本来は使い魔というのは縛る目的であるはずなのに、なぜか繋がりが深くなったご褒美みたいな扱いになってるのは本当に笑うしかない。

アルテアは悪い遊びばかりしていて殺したい者が多いんだから、ネアと繋がりが深くなるのは危険だというけど、実際、そういう意味で危険になることはあまりなかったかな。どちらかというと、アルテアの危機にネアが巻き込まれて事故率が倍倍にみたいな状況がわりとあった気がする。

アルテアと話してるウィリアムは、すごく魔物っぽくて好き。ディノの記憶を戻せることを隠していたウィリアムはアルテアが一人ですっ転んでなかったら悪巧みとして完全に一歩リードしていたのでは。

(373)

火の慰霊祭の逸話。読んだ時から思ってたけど、理不尽極まりない。襲ってきた側が返り討ちにされて殺された怨みなんて、後に生まれた人からすると知ったことか案件なんだけど、それでも慰霊祭を行わないと呪いが街を襲うというのだから、この世界なりの仕組みを上手く表現している。同時に、現在進行形でヴェルリアを呪っている塩の魔物が今ここにいるというのも面白くて、そりゃ、今を生きる魔物からしたらそれはもう昔じゃなくて今の話だからね。

なんとなく、この世界では過ちを赦したり赦されたりというのがあまりなく、それでいて、ちゃんと救いはある。赦し赦されは他者に委ねる行為だけど、救いは自分が掴みとるものだからかもしれない。

(374)

イヴリース登場。ネアとは初対面。
イヴリースは残忍な魔物とか言われていたけど、結局ずっと迂闊でアホかわいいだけの魔物でしたね。

(375-376)

万象の契約者で、ウィリアムもアルテアも気に入ってるという少女に対し疑念を持ち続け再度突撃するという自ら死ににいくような迂闊な行動をするイヴリースを撃退するゼベルとエアリアル初活躍の話。

塩の魔物の話がさらっと出てきてゼベルが驚く。この先、塩の魔物を毎日散歩されるのが騎士たちの日課になるなんて思いもしなかった頃である。

(377)

ノアが、ウィリアムよりアルテアよりも年上であるという自己申告をさらっとする。ウィリアムとは同時期、或は昔のノアベルトはシルハーンと似たような雰囲気だったという話も聞いたことがあるので、ディノ→ノアベルト→(同時期)ウィリアム→アルテアの派生順かなと思っている。ただ、ウィリアムはこの時期死んでて、ノアが寝てるとなると、世界で動く生き物がディノとアルテアの二人しかいなかった時期があり、そう思うと仲が悪いわけはないんですよ。

ここ、自分で書いてて少し思ったのだけど、ディノがよくネアに”動いてる”と感動することがあるのだけど、これは誰もいない世界で一人っきりでいた経験から来るものなんだろうなと悲しくなってしまう。そこにウィリアムが派生したのはいつなんだろう。そして、アルテアさんが派生したのは。どれくらいの間が空いていたのだろう。昔の彼らが見て見たかったな。

(378)

狐姿のノアベルトと一緒に三人で寝ることになったものの、野生の本能に目覚めた狐ノアがむぎゃむきゃと暴れて寝れないネアは、元の姿に戻ってもらい、人型のノアと寝ることに。狐姿だとうるさいとはいえ、あっさりと成人男性と一緒のベッドに寝ることに躊躇のないネアは中々だと思います。中身狐とはいえ。え、逆ですか。

なんとなく、この頃のノアは守られてる感じがする。こうして少しずつ家族として馴染んでいくのだと思うととても感慨深いものがある。最新の方では、わりとしっかり兄をやってて、守る者、リーエンベルクの守護者というイメージが強い。

(379)ノア視点

"かつてはウィリアムと共にその片側に在る魔物でいた"

ウィリアムと共にディノの側にいたというノアベルト。この頃の三人も見て見たかった。

みんなから優しくされて、ネアだけでなく、もっと大きな括りでみんなが大好きだというノアベルト。ノアの内心が描かれる描写は、ひたすら”みんなが大好き”で溢れていて、特等の魔物でありながらかつて傷ついて、救われた今があるこその描写で、読んでいたら本当に良かったねと、こちらまで幸せになってしまう。

ここで、少しだけアルテアの話も出ていて、アルテアとネアはあれだけがちゃがちゃしながらも(←この表現面白いと思った)妙に相性が良いので一番やっかいだと。

当時からアルテア押しだったのでとても印象に残った一文だったことを覚えている。こうやって改めて読み返してると、すごく印象に残ってる残ってないと意外にあるので面白い。ノアは統一戦争影絵事件の後に好きになったという印象があるので、最初の頃はあまり好きではなく、好きじゃないは正確ではないけど、何だかネアに横恋慕してるみたいで、ハーレムものが好きじゃないので、でもノアの好きは恋愛じゃなくて家族枠での好きとなってから好きになったし、何ならヒルドさんも、完全家族枠の愛情に変わってから好きになった。ハーレムものが好きじゃないのに、アルネアが好きなのは、この二人は絶対恋愛関係にはならないという確信があるからこその好きなんですよ伝われ。伝わらなくともいいけど、違うんだよ、恋愛じゃないからこそ最高に尊い

火の慰霊祭といえば、わりとノアの話なのに、最後はやはりアルテアで締めてしまった。
次はシュタルト旅行の話でした。バーレンはもっと先かな。一回目の使い魔契約はわりとすぐ解除された印象があるけどそうでもなかった。