空ゴト日和

本とゲームに埋もれた日々

11/3 読んだ本「本を守ろうとする猫の話」

そろそろ10月分本のまとめ書かなきゃなと思いつつ、あまりマイナスイメージな本の話を向こうのブログに書くのはどうかなとちょっと思ってしまったのでこちらに。

本を守ろうとする猫の話 (小学館文庫)

悪くはなかったが、悪くはなかったという感想。作者の作品は『神様のカルテ』も読んだけど、それも似たような感想だった。あっさり読めて悪くはないんだけど、それ以上の感想があまりないというか、尖っているわけでもないので、万人にゆるりと受けるだろうなと。何度もいうが、別に悪くはない。
本好きの高校生。古本屋を営む祖父の死に意気消沈していた時に、しゃべる猫が本を救って欲しいと現れる。1つはひたすら大量の本を読み一冊をじっくり読むということをしない人、1つは読書の効率化を目標としあらすじを要約しひたすら文字数を減らし”読みやすく”しようとする人、1つは”売れる本”だけを量産し売れない本は切り捨てていく人、それらの人に出会い、少年は対峙し、一冊の本を何度も読む楽しさ、難しい本を考えながら読み解く楽しさ、売れない本でもそれを求めてる人がいて意味があるのだということを伝えていく。

正直いうと、敵?側に言うことの方が、”わかる”と言いたくなる気がしました。主人公がいう台詞は結局のところ理想論で、何の解決もない。世の中理想だけでは回らないが、また理想を掲げる人がいなくなってもいけないという面があるので、これはそう、そういうものではあるんだろうけど。
要するに、昨今の本に纏わる命題、本が売れなくなり、難しい本が読まれなくなってしまったという、普通のことを普通に言っていた話だったなというイメージ。

でも、最後に、そんなことを読みやすく売れてるベストセラー作家が言っておりますという皮肉が聞こえてくるので謎の微笑みを浮かべてしまいました。

本を守ろうとする猫の話 (小学館文庫)