「薬の魔物の解雇理由」読み返しメモの為、 シリーズ最後までネタバレ注意。ゆっくり再読中。
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海水浴回が終わり、嵐の中のちびまろ、ウィリアムと砂漠のテントで一泊、疫病祭り、白けもの登場と、日常回に見せかけた今後の伏線がわんさか。
(466)ちびまろ回
謎の生き物ほのぼの回と思いきや壮大な伏線だった話。
雪豹アルテアのぬいくるみに抱かれる餅兎たち。
”やめろ”がアルテアの定形文だと既に思ってるネア。そうだね。
(467-468)
ウィリアムと砂漠のテントでお泊り回。
どう考えても浮気です。いや、普通に考えて他の男と同じテントでのお泊り回を許す恋人(?)はいない。ネア視点だとこの程度で荒ぶりなさんな、という雰囲気だけど、荒ぶり程度で許されるのだからディノは懐がでかいよ。
後、砂漠回は風景描写の表現方法がすごく美しかった。"薔薇色の砂漠"とか、一瞬何色?と思ったりもしたけど、そこにあるものを三人称、神の視点で語るのではなく、ネアの感じたままの文章で綴られており、それがとても詩的で美しい。夕日に染まった砂漠なんてものは、絵で表現すると夕日色も薔薇色も赤色も同じものなんだけど、人の感性を通すことにより別のものになる。そういう小説特有の描写が桜瀬さんの書く文章には多くあり、それが私はとても好きだ。
(469)疫病祭り
(470)白けものさん初登場
白けものさんことアルテアにネアが襲い掛かる話。ウィリアムの話をした途端、大人しくなってネアの顔をぺろりしたアルテアはかわいい。白けものさんをアルテアと知らない期間は少ないんだけど、この頃からネアの方が有利なんだよね。浮気に荒ぶりたいのにアルテアが不憫で言葉を失っているディノ。狐さんにしてもそうだけど、ディノはいくら擬態しても姿に惑わされず魔物自身として捉えてる節があるから、これからディノの受難も始まる。
(471)ヴェンツェル視点
アルテアが、ドリーに殴られたという話が、、すごい、その場面見たかった。アルテアも大概寛容というか、自分自身が色々やらかすせいかもしないが、誰かに対して感情のまま憤るということがあまりない。誰かの選択に対しどんなものでも愉しんでしまうという性質ゆえというのもあると思うが、そこにネアという絶対譲れない存在が現れたことで、喜怒哀楽の感情の振れ幅もこれから大きくなっていくんだろうと思うと愛しくて苦しくなる私が。
ヴェンツェルが母親と会ったシーンてここだけな気がする。あんまり覚えてないが、間接的に情報は入ってくるが、直接的な描写はあんまりないんだよね。とにかく、ひどい奴という印象だけがあるが、くすまものことだから何か色々あったんでしょう。もっと色々知りたかったな。
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ここら辺、日常回多くて、結構飛ばし気味に読んでた記憶がある。つまらないとではなく、早く先が読みたくて事件が起こって欲しいみたいな。その分、絶対記憶はうろ覚えで、覚えてなければ初見だし、これからも楽しく読めるな。
くすまも漫画6話読みました。
すごい上手い感じの構成に落とし込んだなと思った。1巻と2巻という物理的な間を取り視点を変えることで作中での時間間隔を曖昧にして小説特有の表現を漫画でも応用するという。もしアニメ化したらきっと1巻部分が1話になる。
くすまもはこういう感じのものがままあるんだけど、これからどうするんだろう。木通さんの例みたいに、本来分かれてる話を上手い感じにくっつけたり、全体を通して考えていくのかなと思うと、それはすごい大変そうだなと思ってしまう。くすまも漫画はすごい原作をリスペクトし過ぎてる気がして、もっとフランクに自分流の漫画にしてもいいんじゃないかな。