空ゴト日和

本とゲームに埋もれた日々

4/24 読んだ本「瑕疵借り-奇妙な戸建て-」

瑕疵借り ‐‐奇妙な戸建て‐‐ (角川文庫)

昨今話題のワードをギュッと詰め込んだような話だった。
過去に人死にがあったという瑕疵物件に住むことを生業にしている瑕疵借り屋・藤崎が住み込んだ場所は、なぜか村人全員に敵視しされ監視されているような家だった。この家で一体何があったのか、村人たちの異様な態度の正体は何なのか調べていくうちに、とうとう殺人事件までもが起こり、という話。


これは面白かった。
前半のちょっとした短編がその後の本編に繋がる布石となっていて、村人全員から理由のわからない敵意を持たれ謎の気持ち悪さを感じるという、今流行りの”因習村”から連想される前提知識を逆手に取ったようなネタが仕込まれていて、筆の早い作者ならではのスピード感からなる作品だなと関心した。
実際、私も「変な家」から間取りものが気になって、本屋で見かけて買ったという経緯もあるので、大成功であると思える。
ちなみに、シリーズ1巻目はなぜか講談社の方から出ているらしいので、機会があれば読んでみたい。