空ゴト日和

本とゲームに埋もれた日々

3/28 最近読んだ本とくすまも

ブリジャートン家3 もう一度だけ円舞曲を (ラズベリーブックス)

3巻まで読みました。次男ベネディクトの話。

内容がとてもシンデレラ。伯爵の庶子として生まれ、まわりからは女中として扱われ、意地悪な継母、姉妹たちに虐められながら生きてきた主人公が、一夜限りの夢として仮面舞踏会に出てそこでベネディクトと出会い、恋をする。しかし、自分の素性を言えないまま姿を消して、ベネディクトは残された紋章のついた手袋を手掛かりに彼女を探すことに。

最近、海外ロマンスものでも日本の少女小説系統と同じく楽しめるものと感じ始めたのだけど、何となく、男が情けないというか頼りないパターンが多いなと思う。特に今回、女中と伯爵家次男という身分差が問題になるのだけど、好きになったからといって浮かれきって”愛人”になってくれは中々ない。リアルさを求めるならこちらの方が正解なのかもしれないが、リアルさを求めているわけではないのだよという気持ちはある。ただ、最終的に母親であるヴァイオレットがめちゃくちゃかっこ良く、円満解決にしたのは気持ち良かった。このシリーズは全体を通して母親ヴァイオレットがすごくいい女で、子供たちの結婚恋愛話を安心して見ていられる。次巻も楽しみです。

 

肉食屋敷 (角川ホラー文庫)

小林泰三さんの初期の短編集。

表紙のイメージイラストが素晴らしい。作中に出てくる怪物のイメージ通りな表紙って以外にありそうでない気がします。
表題作は、表紙からのイメージ通り、謎の科学者が研究しているという屋敷に赴くと、そこは気持ち悪いうねうねとした屋敷で、中にいた人からとんでもない話を聞かされるというもの。化け物屋敷が出来上がってしまった経緯、それを話している人の謎、それを聞いてる”わたし”と、二段三段とオチが用意されていて、相変わらず上手い。怪物小説風でありながらも小林さんは本格推理の人だなと思ってしまう。

個人的には『妻への三通の告白』が一番好きだ。始めの方は、作者読みでマイナス面での嫌な想像をしてしまったのだけど、最終的には優しさを感じた話だった。誰にも迷惑をかけず、本人が幸せならそれは本当に良いことだと思う。

小林さんが亡くなってから大分経つが、本(文庫化、或は新装版など)が続々と出ているのでいまだあまり実感がない。書店に本が並ばなくなってから、きっと寂しさを感じるのだろう。

亡くなった作者繋がりですが、

「薬の魔物の解雇理由」の続きを出して下さい!

つい最近、くすまも漫画11話が配信され、2巻発売日も決定したとはいえ、私の望む本質は、小説の続きが出ることです。

漫画は漫画で面白い、それはわかる。でも、久しぶりにその部分の小説を読み返してみると、文章が美しすぎてひっくり返りそうになった。まじで素晴らしい。この文章の美しさだけでうっとりする現象は私の中で、桜瀬さんだけなんだ。この美しさを、全人類に伝えたい。

作者が生きていたら、いつか伝わるだろうと心穏やかに見守っていただけかもしれないけれど、お亡くなりになりwebにしか文章が残らない現象は悲しすぎる。どうか紙の本として残して欲しい。宜しくお願いします。

いないかもしれないけど、くすまもの話をするのは久しぶりなので、もし知らない人がいたら「薬の魔物の解雇理由」を宜しくお願いします。

なろう版→薬の魔物の解雇理由 (syosetu.com) 

小説書籍→薬の魔物の解雇理由

漫画版 →薬の魔物の解雇理由@COMIC 第1巻