空ゴト日和

本とゲームに埋もれた日々

4/10 読んだ本「天の川の舟乗り」

天の川の舟乗り: 名探偵音野順の事件簿 (創元推理文庫)

音野順シリーズ第三弾。久しぶりすぎて懐かしくなってしまったけど、相変わらず、面白い。ひきこもりで気弱な名探偵と、強気でぐいぐい行くワトソン役という凸凹コンビがとても好き。うじうじ悩む名探偵に対して、責任は俺が取る、とばかりに事件に引き連れ回すワトソン役はあまりにバランスが良い。

個人的に、1作目の『人形の村』が一番好き。白瀬の友人であるオカルトライターが、呪いの人形を取材しに行くも、何が何やらわからぬまま報酬だけ貰って帰らされてしまった。その謎を音野が解くのだけど、最初の依頼から最後まで、変だなと思った些細な出来事にキレイなオチが付いて、すっきりさせてくれるのが絶妙だった。

2作目の表題作である『天の川の舟乗り』は中編と長め。珍しく、ちゃんと依頼を受けて、村まで出かけて、事件が起きて、解決するという、話自体はオーソドックスな流れだった。ただし、ここでも音野はぐたぐだと行きたくないそぶりをずっとしているが、白瀬がやる気満々で引っ張って行くので見ていて小気味良い。

3作目は『怪人対音野要』という兄・大活躍の話。
名探偵の兄だ!なんて本人は名乗っていたが、本人がめちゃくちゃ名探偵っぽい。兄、もっと活躍して欲しい。

北山猛那さん、最近あまり読んでなかったけど、やっぱり面白かったので、他作品も読んでいきたい。