空ゴト日和

本とゲームに埋もれた日々

9/23 読んだ本「公爵さまが、あやしいです。行き遅れ令嬢の事件簿」

公爵さまが、あやしいです 行き遅れ令嬢の事件簿 (コージーブックス)

これはすごく面白かった。19世紀英国を舞台にした、身分差×年の差のロマンスミステリーもの。一昔前の講談社X文庫の探偵ものとか読んでた人はどんぴしゃなのではないかと思った。26歳で既に行き遅れと呼ばれる年齢で自分を地味で冴えないと思って将来に対して何の希望も抱いていなかった主人公が、殺人事件に出会い、その場に居合わせた公爵と一緒に事件を解決していくことになる話。驚いたのが、ミドル階級以上の女性には働くという選択肢がなく、家を出るには結婚するか一生家で過ごすしかないとあって、それお金はどこから出るのと聞きたくなったけど、だからこそ、貴族の女性は結婚することが全てとなるのかとちょっと納得してしまった。結婚しないと家にいるだけの、現代でいうところの引きこもりぷうたろー扱いになっちゃうのか。

そんなわけで、普段は引っ込み事案で前に出ないタイプの主人公が、なぜか公爵に対してはパイをぶつけたくなるという衝動にかられてしまいツンツンしてしまうという、しょっぱなから完全にケンカップルの仕様で最高だった。公爵の方がどう考えているのかわからないけど、おもしれー女を見つめる感じで見ている気がするので脈はある。いや、この辺、海外ロマンスものがどういう扱いにするのかわからないのだけど、このどうにかなりそうでならないというジレジレが最高に良い。

日本なろう系だと公爵と平民(ではないが)の恋愛問題はあっさり解決してしまうので、久しぶりに本気の障害らしい障害がある中で、時間をかけてくっついてくれたらかなり嬉しいかもしれない。それでいて、恋愛というよりミステリーを軸にも動いているので恋愛だけにうじうじすることもなく、事件を肴に二人の仲が狭まっていくというのがとても良い。楽しい。

2巻も既に読んだのだけど、さらに面白くなっていて続きがどうなるのか楽しみ。本国では10作以上出ていて、日本で3巻は来年2月刊行予定とあって、既に決まっているのが嬉しい。このまま続いて欲しい。

公爵さまが、あやしいです 行き遅れ令嬢の事件簿 (コージーブックス)