めちゃくちゃめちゃくちゃ面白かった。
ちょっと、個人的に、近年にないくらい面白かった。
１巻よりも２巻がこんなに面白くなるなんて思わないじゃん。
ホラーではあるんだけど、同時にキャラがめちゃくちゃ良い。
私の感覚だと、上遠野浩平の作品を読んだ時の衝撃に似てる。
キャラが良い。とにかく良い。
異常者たちのパラダイス、時々普通の人って感じ。
悪魔的に顔が綺麗な片山敏彦という青年の独白から物語は始まる。顔が綺麗なせいで、いつも一方的なストーカー被害に悩まされていて、それだけではなくとうとう呪いのような怪異まで襲い掛かってきたため、本作品のシリーズキャラクターである佐々木るみに相談に行く。序盤の敏彦の語りだけだと、何もしてないのに勘違いされて、普通になりたいと願う敏彦を同情的な目線で見ることになるのだけど、物語が進むにつれて、敏彦の異常性が徐々に明らかになっていくというか、最終的に、こいつが一番やばいまでなって最高だった。
オカルトは理解できないからこそ怖ろしくそこが面白いと、面白ければそれ以外は二の次だと、自分の趣味を最優先にして、結局その顔で人を誑かし思い通りにしてしまう。敏彦を襲っていた怪異も、正体がわかってしまえば怖くないと受け入れる。おまえが一番おもしれー男だよ。
キャラの話ばっかりしてますが、ちゃんとホラーとしても絶品なんです。それがこの作品のすごいところだと思う。
異常者たちが異常者のまま、常識の仮面を被って現代社会を生きてく話が好きだから、私の癖に刺さりすぎて、ちょっと冷静になれない。面白かったです。
ネタバレ
佐山と敏彦には末永く幸せになって欲しい。
佐山は敏彦が好きすぎて殺そうとしたのに、敏彦の方が、異常者同士仲良くしようぜ！のノリなのめちゃくちゃ面白いんよ。
